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東西南北舎

東西南北舎は東西南北人の活動に伴い生成したテクスト群の集積地である。「東西南北人」は福岡の儒者亀井南溟が秘蔵した細川林谷篆刻の銅印。南溟の死後、息子の亀井昭陽から、原古処、原釆蘋、土屋蕭海、長三洲へと伝わり、三洲の長男、長壽吉の手を経て現在は福岡県朝倉市の秋月郷土館に伝承されたもの。私の東西南北人は勝手な僭称であるが、願わくば、東西南北に憚ることのない庵舎とならんことを祈念してその名を流用させて頂いた。

   

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華竜の宮 上田早夕里著(ハヤカワSFシリーズ Jコレクション 2010年10月22日)

 たまたまブックオフで目に留まった作品で、作者の上田早夕里のことも全く知らなかったが、なかなかよくまとまった、久々の正統派SF巨編である。
 海洋SFということでは、海外ではフランク・シェッツィングの「深海のYrr」、国内では藤崎慎吾の「ハイドゥナン」や「鯨の王」に比肩し得る巨篇であるが、これらの中では最もSF的なマインドに溢れた作品といえるか。
 舞台設定は、21世紀の前半にホットプルームの活性化による海底隆起により、海水面が現在の水位より260mも上昇してしまうという未曾有の災厄に見舞われた人類が漸く立ち直りかけたおよそ500年後の世界。遺伝子操作により海上生活に適合した海上民と、従来通りの身体のまま特権的に陸上生活を送る陸上民との紛争が絶えないその世界をさらなる災厄が襲う...という先日亡くなった小松左京が得意とした災厄小説の衣鉢を継ぐかの如き展開。なかなか興味深い世界構築がなされています。
 まあ、あとは読んだ方のお楽しみということで。
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プロフィール

HN:
東西南北人(中島久夫)
性別:
男性
自己紹介:
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island04jp@gmail.com

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