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東西南北舎

東西南北舎は東西南北人の活動に伴い生成したテクスト群の集積地である。「東西南北人」は福岡の儒者亀井南溟が秘蔵した細川林谷篆刻の銅印。南溟の死後、息子の亀井昭陽から、原古処、原釆蘋、土屋蕭海、長三洲へと伝わり、三洲の長男、長壽吉の手を経て現在は福岡県朝倉市の秋月郷土館に伝承されたもの。私の東西南北人は勝手な僭称であるが、願わくば、東西南北に憚ることのない庵舎とならんことを祈念してその名を流用させて頂いた。

   

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記憶汚染 林譲治著(早川書房2003年10月31日)

 2003年の作品だが、今読むと、妙に予見的なところのあるSF。
 本作は、テロにより北陸の原発でメルトダウンが発生した十数年後という舞台設定。
 そのテロによる影響から、1人1台のウェアラブルコンピュータ(ワーコン)の保持と、リングシステムという地球を取り巻く環状通信衛生というインフラの整備により、厳格な個人認証制度というアーキテクチャが構築され、それによって統制された近未来の日本。
 東浩紀が情報自由論で示した環境管理型権力をネガティブに具象化したような設定だが、おそらくここに描かれているような社会構成は、今のインターネット環境とスマートフォンでも、やろうと思えば構築できてしまうのではないだろうか。例えば、スマートフォンの携帯が義務化され、フェイスブックへの参加が義務化された社会を想定すれば、ここに描かれている社会との距離はさほど遠くはない。
 それは兎も角、この小説の面白さは、ここに個人のアイデンティティと記憶の問題を絡めて、歴史の虚構性をめぐる陰謀劇を描き出している点にある。あまり書くとネタバレになってしまうので、興味のある方は一読されたい。
 しかし、この作者といい、師匠筋に当たる谷甲州といい、シミュレーション小説はあまり感心しないのだが、まっとうなSFの方は結構面白い。
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プロフィール

HN:
東西南北人(中島久夫)
性別:
男性
自己紹介:
なお、本ブログに関するお問い合わせ等につきましては、以下のメール・アドレスまでお寄せください。
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