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東西南北舎

東西南北舎は東西南北人の活動に伴い生成したテクスト群の集積地である。「東西南北人」は福岡の儒者亀井南溟が秘蔵した細川林谷篆刻の銅印。南溟の死後、息子の亀井昭陽から、原古処、原釆蘋、土屋蕭海、長三洲へと伝わり、三洲の長男、長壽吉の手を経て現在は福岡県朝倉市の秋月郷土館に伝承されたもの。私の東西南北人は勝手な僭称であるが、願わくば、東西南北に憚ることのない庵舎とならんことを祈念してその名を流用させて頂いた。

   
カテゴリー「写真・アート等」の記事一覧
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桃井和馬「大地巡礼」 2013年3月20日


 写真一葉一葉に作者の言葉が添えられた、詩画集ならぬ詩写真集というべき著作物である。私はそれほど写真に詳しい訳ではないが、このようなスタイルで有名なのは藤原新也だろう。
 一葉一葉の写真はとても美しい。大地の景観を空から俯瞰で捉えたもの、見上げるような形で捉えたもの、木々、動物たち、そして岩手や福島/フクシマの被災地とそこで表情を失った人々。その一方、ラダック、アンデス、イェルサレム、アフガニスタン、あるいはカシミールの表情豊かな人々。一視同仁で語るのは容易いが、その間に開いた裂け目のなんと大きなことだろう。
 添えられた言葉は、世界の「祈り」を目撃した写真家の言葉だ。表現としての写真は、当然のことながら被写体を必要とする。だが、その表現が内的なものへと向かう場合、いったい写真家にとって何が被写体たり得るだろう。
 おそらく「祈り」とは内的表現の究極的な様態である。そして、それは本来表現の対象たり得ない、言葉ならざる言葉だが、祈りを目撃することはまた祈りへと連なり、祈りへと推参する行為なのかもしれない。
 祈りを伝えることは絶望的に困難な営みだ。写真家の言葉は当然の事ながら映像の影へと埋没せざるを得ない。けれども、そのような光景を追い求め、語ることを止めないことも大切なことなのだ。
 本書は、そのような「祈り」に憑かれた写真家の巡礼の行跡を示すものである。
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プロフィール

HN:
東西南北人(中島久夫)
性別:
男性
自己紹介:
なお、本ブログに関するお問い合わせ等につきましては、以下のメール・アドレスまでお寄せください。
island04jp@gmail.com

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