忍者ブログ

東西南北舎

東西南北舎は東西南北人の活動に伴い生成したテクスト群の集積地である。「東西南北人」は福岡の儒者亀井南溟が秘蔵した細川林谷篆刻の銅印。南溟の死後、息子の亀井昭陽から、原古処、原釆蘋、土屋蕭海、長三洲へと伝わり、三洲の長男、長壽吉の手を経て現在は福岡県朝倉市の秋月郷土館に伝承されたもの。私の東西南北人は勝手な僭称であるが、願わくば、東西南北に憚ることのない庵舎とならんことを祈念してその名を流用させて頂いた。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


人気ブログランキングへ

切りとれ、あの祈る手を---〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話 佐々木中著(河出書房新社 2010年10月21日)

 テクストを読んでしまうこと、終わりなき夜の言葉を書き連ねること。その営みの強靭さにおいて、本書が破砕しようと目論んでいるのは「終末論」であり、瀰漫する「終末論」のうちに崩れ落ちていく思考の隘路を切り開くことである。そこに賭けられているのは、終わりなき営み、終わりなき革命の担い手としての文藝の復興(ルネサンス)である。ここで、その賭け金とされているのが、「革命」である。

++われわれは革命から来ました。革命から生まれました。革命と聞いてわれわれが思い浮かべるあの革命よりも、遥か彼方にある革命から。もっと古く、もっと宏大な、そしてわれわれの想像を超えた革命から。(p.48)

 本書では、世界史における数多の革命の中から欧米において生起した革命のみを取り上げ、そのうち最初の2つの革命が特に重要であるとされ、われわれの現在が、如何にその2つの革命の余波のうちにあるかを明瞭に指し示している。
 その最初の2つの革命とは、通常「革命」の中には入らないとされているローマ法の再発見を淵源とする12世紀の「中世解釈者革命(教皇革命)」と、マルティン・ルターによる宗教改革「大革命」である。いずれもその中心にある営みは、徹底してテクストを読むという経験であり、その経験の不可能性である。本を読むということが、本来、如何に困難で恐ろしい行為なのか、本書はそのリアルな様態を示している。刮目すべき書であると思う。
PR

人気ブログランキングへ

COMMENT

NAME
TITLE
MAIL(非公開)
URL
EMOJI
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
COMMENT
PASS(コメント編集に必須です)
SECRET
管理人のみ閲覧できます

カレンダー

03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

フリーエリア

最新コメント

[09/23 EddieHef]
[12/01 名無しのリーク]
[11/22 XandraEdwards]
[11/19 Meamo]
[11/18 名無しのリーク]

プロフィール

HN:
東西南北人(中島久夫)
性別:
男性
自己紹介:
なお、本ブログに関するお問い合わせ等につきましては、以下のメール・アドレスまでお寄せください。
island04jp@gmail.com

バーコード

ブログ内検索

P R

Copyright ©  -- 東西南北舎 --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]